今週の3連休の館長は、のんびり誰もいないイチゴ狩りハウスで、ブログを書いたり、今日までの
栽培実績をまとめたり、10月や11月の計画を見直しします。
毎年天候が異なるために、細かい計画は随時見直さなければなりません。
大の巨人ファンの館長は、クライマックスシリーズに巨人が出れないので、安心してイチゴ栽培に
専念出来ます(苦笑い)。
日本ではコロナの感染が収束方向に向かっていますが、海外の寒い地域では少しづつコロナの感染が
拡大しているようです。日本も安心できません。
館長の悩みは、最近の天候が、雨や曇りで日照不足でイチゴの生育が例年より遅れていることです。
農業にとって太陽の光は、車のガソリンと同じで、無いと成句しないので大変です。
特に当館のように夜冷処理をしてイチゴの苗を定植する場合は、定植後約30日で蕾が出て来ます。
従って、大きな苗で花芽分化を起こさせてかつ、30日と言う短時間でイチゴの株を大きく
しなければなりません。
もし遅れて株が大きくならないときは、12月に小さな実しか収穫できず、最悪は小さな株で
実を収穫すると、いっぺんにイチゴの株が弱くなり、1月以降の収穫量が激減します。
夜冷処理の難しさは、
1.花芽分化を抜き取り検査で調べるため、如何に苗を同じ条件で同じ大きさに
生育させるかと言うことです。
2.花芽分化を抜き取り検査して、どのステージの花芽分化期で定植するか。
3.花芽分化期を間違えて早く定植した場合は、花芽分化期を迎えていない苗を定植することになる。
4.花芽分化期を間違えて遅く苗を定植すると、出蕾までの30日間が短くなり、小さい実しか収穫出来ない。
5.定植技術や定植直後の給液管理技術が弱いと、30日と言う短期間の生育が遅れて、小さい実になる。
6.定植時期の天候も加味して花芽分化期を見極めて定植しなければならない。
7.品種により花芽分化が遅い品種と早い品種が有るので要注意。
8.定植後は、葉を沢山残して生育を旺盛にしたいのだが、古い葉ほど病害痛が残っているので、
古い葉を定植後の日数に合わせて葉欠きしなければならない。
9.最悪なことに、小さい苗ほど気温の感受性がおおきく、早く花芽が出て小さい実になるので困ります。
この複雑な栽培技術に加えて、館長は仕事量の平準化を考慮して収穫時期を3段階に振り分けています。
自然に任せて栽培するイチゴ農園に比べて館長は、夜冷処理➡定植➡肥料管理➡温度管理➡葉欠き
➡蕾取りと各時期の決定に頭を使う仕事が増えてきます。
当館のイチゴの出蕾時期は、
1.夜冷処理は、計画通り10月13日~24日。
2.半夜冷処理は、計画より少し遅れ気味で24日から31日頃。
3.遅い夜冷処理は、計画より少し早まって24日頃になりそうです。
4.7月5日に「葉無直接定植」したかおり野は、様々な対策により、温かい9月でしたが
10月10日から10月末の出蕾になります。夜冷処理なしの無処理と苗の大きさのバラつきで
出蕾時期が大きく異なりそうです。
計画より早くなった理由は、育苗時期の肥料不足と日照不足で苗を大きく作れなかったからと推測。
出蕾時期の予測は、写真1と2のように実態顕微鏡で花芽分化期のステージを抜き取り検査して判断。
また、目視ではランナーの発生具合や横芽の発生状況で判断します。
10月5日の花芽分化期の調査では、写真1の「しずい形成期」が見られました。
つまり、10月13日から24日頃に出蕾すると予測されます。
イチゴ栽培で一番の喜びは、近未来を科学的に予測して、予測した結果通りになった時です。
ようやく定植が終わったので、ハウス内3000㎡を掃き掃除してきれいにします。
イチゴ狩りのお客様は、イチゴを洗わないでお召し上がりになるので、少しでもきれいにして
ホコリが立たないようにします。従業員の皆さんは、掃き掃除で腰を痛めるので、毎日少しずつ
掃き掃除をします。
手順は、ケルヒャーの掃除機で、大まかに掃除します。
次にブロアーで、細かい誇りを飛ばしてまとめます。
次に作業者が、機械やブロアで掃除出来ない場所を掃き掃除。
雨や曇りで日照が少ない中、大きな苗が定植できたお陰て、例年よりイチゴの株は、
大きく育っています。
来週からは、イチゴの株から出蕾するのを待つだけです。
写真1。花芽分化期のステージ。
写真2。左の2枚の葉は、目視で見えています。左から3枚目は、目視で見えず次に
出てくる新葉です。一番右は、イチゴの株のクラウンで、「しずい形成期」
を、顕微鏡で見つけました。つまり1週間に1枚新葉がでるので、
2週間後の13日から24日ころにに蕾が出てくる予測です。
写真3.イチゴの培地のココを盛り上げる作業の時にこぼれたヤシ殻(培地)が
床に堆積しています。
写真4.汚れていた床をケルヒャーの掃除機とブロアーと掃き掃除できれいにしました。
はだしでも、足が汚れません(笑い)
写真5.掃き掃除をするとホコリが舞い上がり大切なイチゴの葉に付着します。
ハウスの中は雨が降らないので、消毒する時にホコリを洗い流します。
1回ぐらいでは、完全にホコリが照れません。
写真6。順路1の章姫。
写真7.順路2のかおり野・紅ほっぺ・ホワイトベリー。7月5日に「葉無直接定植」したかおり野が
一番大きく生育しています。
写真8.一番最後に定植した遅い夜冷処理の章姫が、小苗のため出蕾時期が
9月17~24日に早まりそうです。
写真9.順路2のかおり野・紅ほっぺ・ホワイトベリー。半夜冷処理のために
まだ苗が大きく育っていません。
写真10。一番左は、お土産のかおり野。2番目は、お土産の遅い夜冷処理の根にほっぺ。
左から3番目は、半夜冷の高級品種のアイベリー。
写真11.一番左が高級脾腫の夜冷処理のアイベリー。真ん中が夜冷と半夜冷処理の
ホワイトベリー。一番右がかおり野。
写真12.今年からテストで無処理の章姫。肥料管理で花芽分化を起こす予定です。
写真13.7月5日に「葉無直接定植」したかおり野。あまり大きくすると
花芽が遅れるので大変です。
写真13.順路2のかおり野・紅ほっぺ・ホワイトベリー。このベットの
苗が大きかったのか、給液が良かったのか、一番生育が良いです。
写真14.手前が9月14日に定植した章姫。奥が9月19日に定植した半夜冷
処理の章姫。
写真15.来週はメイン通路と休憩場を掃除予定。