1.当館の通販と直売は、12月1日頃から開始。
2.いちご狩りは、12月14日から開始。(収穫が早まれば、早くいちご狩りを開始)。
いつの間にか、11月も3分の一が終わりました。
11月はそれなりに寒いのですが、9月と10月の平均気温が例年より1~2度ぐらい高かったので
イチゴの花芽分化が遅れています。
夜冷処理をしないイチゴの自然花芽分化は、大幅に遅れています。
昨年に比べると収穫時期で1か月以上遅れているようです。
館長の予測では、年内にいちご狩りが出来る農園は少なく、
クリスマスケーキ用のイチゴは、収穫時期が間に合わなくなり昨年以上に入手困難になるでしょう。
さらに、10月の台風や大雨により千葉県。群馬県・茨木県や伊豆の国などは、ハウスや畑の浸水などで
収穫が出来ない農家が多いですことも、入手困難に拍車をかけるでしょう。
当館は、夜冷処理をしたのですが。
1.夜冷処理の苗は、10月の日照不足で不受精果が多発。➡例年の半分以下の収量。
2.夜冷処理の2割が、10月の高温で収穫時期が1か月以上遅れる。➡2割が自然花芽分化と同じ時期まで収穫遅れ。
などの問題が出ていますが、半夜冷処理のイチゴは、計画通り収穫時期と収穫量を確保できそうです。
甲府の2013年から今年までの平均気温比較
平均気温
13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 合計 平均
7月 27.0 26.4 25.9 26.3 27.4 28.3 24.8 186 27
8月 28.5 26.5 27.2 27.1 27.3 28.2 27.9 193 28
9月 23.9 22.0 22.2 24.2 22.6 22.7 24.4 162 23
10月 18.6 17.2 17.2 18.2 16.5 18.1 19.1 125 18
甲府の2013年から今年までの日照時間の比較
日照時間
13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 合計 平均
7月 192 198.1 177.2 200.6 189.1 237 90 1284 183
8月 234 136.2 173.6 199.5 146.5 225 192 1306 187
9月 205 176.8 133.5 110.1 171.0 99 182 1077 154
10月 129 179.0 231.0 136.9 115.7 191 125 1108 158
合計 759 690.1 715.3 647.1 622.3 752 589 4775 682
1日当 6.2 5.7 5.9 5.3 5.1 6.2 4.8
問題点
1.今年の9月と10月の気温は、例年に比べて1~2度高いので、イチゴの自然花芽分化が遅れたと推定。
2.今年の7月と10月の日照は、例年より2~3割日照時間がへり、苗の生育や定植後の生育を
阻害して、不受精果を多発させている。
当館の夜冷処理と半夜冷処理の株の出蕾状況。
10月 10月 10月 10月 11月
7日 15日 21日 28日 4日 合計 未出蕾
夜冷章姫 2 23 43 8 1 77 23
夜冷紅ほっぺ 6 20 33 6 1 66 34
夜冷ホワイト 11 25 44 8 2 90 10
自然かおり野 3 1 57 31 6 98 2
半夜冷章姫 4 2 1 28 54 89 11
半夜冷紅 1 1 0 6 82 90 10
半夜ホワイト 13 11 0 16 55 95 5
夜冷愛ベリー 60 24 10 94 6
半夜冷愛ベリ 0 90 90 10
夜冷もも 0 6 63 69 31
半夜冷もも 0 25 25 75
2月の親株の定植➡6月の苗取➡7~8月の育苗➡8~9月の夜冷処理➡9月の定植➡10月中旬の花芽分化と
計画的に進めてきたが、今年も異常気象に泣かされて花芽分化の遅れやバラつきが出てしまった。
しかし、無処理で自然任せのイチゴ農園に比べれば、夜冷処理により12月1回分多く収穫出来ることは、館長の
長年の技術と設備投資の結果と自分を慰めている。
更に、危機管理として夜冷処理半分と半夜冷処理半分に分けていることも、異常気象の損失を少なくしている。
遅れてた章姫(23%)と紅ほっぺ(34%)の出蕾は、クラウンの成長点を調査した結果
11月18~25日頃にやっと出蕾と判明。
約一か月~40日の遅れであり、自然花芽分化と同じになった。
写真1.遅れている章姫の株の茎を順番に取、花芽を見たところ次の新葉の次に蕾が出てくることが判明。
何とか他のいちご園と同じ時期に花芽分化して出蕾します。
大きい芽は、現在出ている新芽。小さい芽は現在見えている小さい新葉。
その次に蕾が見えました。
写真2.クラウンの蕾の部分を拡大。目視でチューリップの花のような蕾が確認できた。