2013年 8月 の投稿一覧

12月からいちご狩りを開始するために、「短日夜冷処理」を開始!

8月18日から24日までのイチゴの栽培状況。
今週前半は、37~38度と炎暑ながら、後半は曇りや雨の影響で35度を下回りました。
涼しく感じるのは、午後の秋を思わせる風や最低夜温が下がったことです。

8月18日から8月24日の栽培状況 詳細については、「いちご狩り日記」をご参考ください

今週のトピックスは、21日から開始した「短日夜冷処理」です。
短日夜冷処理を開始すると、12月からのイチゴのシーズンが間近になってきたことを強く感じます。

しかし、「短日夜冷処理」の実施には、当館の優良苗を引き当てたり、光と水の争奪戦に負けた、負け組を取り除く作業に追われます。

今年の苗の出来栄えは過去最高に良いので、短日夜冷処理をしても花芽分化は若干例年より時間がかかるでしょう
8月21に夜冷処理を開始して、9月15日頃の定植、12月上旬の収穫開始予定です。

7月15日から25日まで間に挿し木した苗の2回目の葉欠きをしました。まだ、完全に古い葉を取り除くことはできませんでした。
挿し木の苗は、2回葉欠きをしたのちに、ミドリ・ミドリした新葉の美しい苗になります。

写真1.短日夜冷処理を開始した育苗ハウス。
17時から朝の8時までは、真っ暗にします。
温度は15~17度までに下げます。

写真2.2回目の葉欠き後の紅ほっぺ。

写真3.2回目の葉欠き後の章姫。

写真4.短日夜冷処理中の章姫。

写真5.短日夜冷処理中の紅ほっぺ。

写真6.短日夜冷処理中のあかねっ娘(ももいちご)。

いちご狩りハウスと育苗ハウスを過去最大の炎暑が襲う(8月5日~8月17日)。

 8月5日から8月17日の栽培状況
詳細については、「いちご狩り日記」をご参考ください

この2週間は、過去最大の猛暑、いや炎暑の連続でした
10日の土曜日は、甲府としては過去最高の40.7度と耐えられない暑さでした。
昼食後の午後の仕事に出ていくのが、暑くていやな毎日です

この夏は、1回目の猛暑が7月上旬2回目の猛暑が8月5日から24日(予報)と言われています。

今年の苗採りは、イチゴさん達にとって最悪の条件となりました。
1回目の猛暑で挿し木の苗を採り
2回目の猛暑の時期に挿し木の苗の育苗ハウスの遮光カーテンを除去しました。

3年前の猛暑から37度対策を実施してきたので、幸いこの40.7度の猛暑に何とか耐え、活着率も約90パーセントを確保することが出来ました。

しかし、来年の課題として高齢化した私達作業者の安全性の確保が課題として残りました。

この猛暑で一番栽培条件が変わったことは、ポット受けの苗に与える水の回数と量でした。
ポットの渇き具合を見ながら水の回数と量を決めましたが、40.7度の時は、通常の約4倍のミスを頭上灌水しました。
さらに、育苗ハウスの東西南北や品種や苗の大きさでポットの渇き具合が大きく異なるので、1日3~4時間の手灌水も必要になりました。

また、頭上灌水の水を均一に与えるためには、葉欠きの回数も増やして、葉と葉の間の隙間を作りました。

しかし、この猛暑により苗どうしの、光と水の争奪戦が激しく、争奪に負けた苗は、例年より生育が悪く、不良苗の発生率も高くなりました。

猛暑日が今日で11日連続、水だけで苗を守ることが出来ないので、育苗ハウスの一部で15日から遮光カーテンを部分的に1日中降ろしっぱなしにしました。
遮光すると苗が徒長気味になるので、遮光はしたくなかったのですが・・・・。

8月12日には、館長が開発したオリジナルの「短日夜冷処理の設備」の100%遮光カーテンを新品に交換しました

20日からの短日夜冷処理を開始予定。
その準備として、良い苗の選別、葉欠きの準備をしています。

この炎暑は、甲府の6月の最低気温の高さから推測でき、事前に対策をしてきた結果、幸い過去最高の苗が確保出来そうです

写真1.7月22日~24日に挿し木した章姫の育苗ハウス。黒の遮光カーテンを除去。頭上灌水の回数が多いので、地温も下がり発根も良いです。

写真2.通常の3~4倍頭上灌水して、水の勢いで茎が寝てしまった章姫。翌日には、元気に立っています。

写真3.頭上灌水で水が行き届かなくて萎れた章姫の苗。
毎日3~4時間かけて手灌水で対応。

写真4.館長オリジナルの「短日夜冷処理の設備」。
天井の黒の遮光カーテが古くて穴が明いてきたので、新品に交換。

写真5.葉欠きごのあかねっ娘(ももいちご)。
葉と葉の間の隙間を作り、光を水を平等に行き渡るようにします。

写真6.猛暑日の連続で一番日当たりが良い育苗ハウスの遮光カーテンを部分的に1日中遮光しました。
苗が徒長しますが、イチゴが元気です

来シーズンのいちご狩り用の挿し木の苗も活着しました。暑さ対策で工業用の大型扇風機を使用。

 今週のイチゴ栽培のまとめ(7月29日~8月4日)
暑かったり涼しかったり、温度差の大きい週でした。
来週7日からは、37度の高温のオンパレードになりそうです

温度差が大きいと、同じ37度でも暑く感じるので、今年は工業用の大型扇風機を3台出して使いました。
この大型扇風機は、9年前の40度の時に購入した時のものです。

1.7月15日の挿し木の紅ほっぺは、遮光カーテンも取れて、順調に生育しています。
若干、小苗の活着が良くありません。

2.7月22日の挿し木の章姫は、白の遮光カーテンも取れ、ほぼ活着しました。
こちらも、大苗ほど活着が良いです。
7月25日の水不足による萎れ苗も無事、復活しました。

3.短日夜冷処理のポット受け苗は、順調に大きくなりました。葉欠きも2回ほど実施。

4.半短日夜冷処理のポット受けのあかねっ娘(ももいちご)などの苗採りが終了。

5.いちご狩りハウスの培地(ヤシ殻)をいれるベットの仕上げが75パーセント終了
残り16本は、ベットの修理が必要で、培地(ヤシ殻)交換作業が大変。

写真1.7月15日に挿し木した紅ほっぺ。遮光カーテンも取れて、暑さに耐えています。

写真2.7月22日に挿し木した章姫の小~中苗。
ようやく根が出てきて、黒1枚の遮光カーテンで萎れなくなりました。

写真3.7月24日に挿し木した章姫の大苗・太郎苗他。
まだ発根が遅れ、黒1枚の遮光ではやや萎れ気味です。
活着率は良いです。

写真4.短日夜冷処理のポット受けの章姫。もう少しで全て新葉に切り替わります。新葉の黄緑が多くなりました。

写真5.短日夜冷処理のポット受けのあかねっ娘(ももいちご)。過去最高に出来栄えが良いです。
もう、葉も大きく2回ほど葉欠きをしました。

写真6.半短日夜冷処理のポット受けの苗が、全て採り終わりました。

写真7.全体の75パーセントのベットの仕上げが終わりました。例年より10~15日早いペースで仕上がっています。